的場悠人の体和 Tai-wa 日記

理論と実践を行き来するヨガ研究者。ここではヨガ以外のことも。大学時代から継続のブログ。

風邪をひいてます。その最中に。

風邪ひいております。

一昨日から、久しぶりに高熱を出し、寝込んでいます。

高熱は、普段処理し切れていない「悪いモノ」も殺してくれると聞きました。
もちろん、「悪いモノ」だけじゃなく、通常の機能を果たしている器官たちも熱に晒されるし、場合によってはそれらも壊され、作り替えられているのかも。

だから、しんどいわけです。
寝てるしかないわけです。

最近読んだ福岡伸一さんの本によれば、「生命は、先回りして自らを壊すことによって、秩序を保っている」とのこと。

僕らは、過去から築いてきた秩序を消費しながら生きつつも、未来に向けてその秩序を壊し、作り替えることによって、おのずと崩壊に向かうエントロピーを先回りすることができる。

今、僕の中で壊されつつ作られているものは、ちょっと先の未来に向けてより適応的な生を提供してくれる。
逆に言えば、今つくりつつある秩序によって、僕の未来が多少なりとも規定される。(未来から過去に時間が流れる。)

一方、生命が今まで作ってきてくれたこの秩序(身体)を、少しずつ消費することによって僕は今、生きることができている。(ここでは、普通に過去から未来に時間が流れている。)

この過去と未来が、矛盾的にひとつであり、そうであることによって自己が保たれていることを、「絶対矛盾的自己同一」と西田幾多郎は言ったらしい。


普段はなかなか実感できない、「先回りして壊す」という生命の機能を実感している、風邪の日。

健康体に戻った時、「いつも通り動ける」という奇跡を支える生命の絶妙な計らいに、ふと感謝するのかもしれません。