的場悠人の体和 Tai-wa 日記

理論と実践を行き来するヨガ研究者。ここではヨガ以外のことも。大学時代から継続のブログ。

「愛」の出所

Body loves its breath. Inhale loves exhale.

(身体は呼吸を愛している。吸う息は吐く息を愛している。)

 

ハートオブヨガ提唱者、マーク・ウィットウェルの言葉。

この言葉が意味しているのは何か?

 

端的に言うと、

愛の出所は「私」ではないということ。

 

「私」が意識しようとしまいと、身体と呼吸の間で起きている愛は、すでに始まっている。

「私」が愛を始めようとしなくてよいのだ。

 

なぜそこに「愛」があるかというと、世界がそのようになっているからとしか言いようがない(ほんとうに好きなものに対して、なぜ好きなのか理由は問えないはずだ)。

 

世界のあちこちで、有機的な愛(生物学的に本能づけられたものも含めて)が起きている。

遍在している愛の中で、自分にとって(いつでもどこでも)実感できる形で存在しているのが、呼吸と身体の間に生じている愛だ。

 

ヨガとは、その愛に参加する(participation)ことに他ならない。

元々世界の中で起きている愛に、乗っかればいい。

愛を作り出そうとする営みではないのだ。

 

だから、「どうやって愛したらよいか」という問いに、「私」が悩む必要はないということ。

「私」は愛の「創造者」ではなく、「参加者」にすぎないから。

そう考えると、ちょっとラクになるかもしれない。