「愛」の出所
Body loves its breath. Inhale loves exhale.
(身体は呼吸を愛している。吸う息は吐く息を愛している。)
ハートオブヨガ提唱者、マーク・ウィットウェルの言葉。
この言葉が意味しているのは何か?
端的に言うと、
愛の出所は「私」ではないということ。
「私」が意識しようとしまいと、身体と呼吸の間で起きている愛は、すでに始まっている。
「私」が愛を始めようとしなくてよいのだ。
なぜそこに「愛」があるかというと、世界がそのようになっているからとしか言いようがない(ほんとうに好きなものに対して、なぜ好きなのか理由は問えないはずだ)。
世界のあちこちで、有機的な愛(生物学的に本能づけられたものも含めて)が起きている。
遍在している愛の中で、自分にとって(いつでもどこでも)実感できる形で存在しているのが、呼吸と身体の間に生じている愛だ。
ヨガとは、その愛に参加する(participation)ことに他ならない。
元々世界の中で起きている愛に、乗っかればいい。
愛を作り出そうとする営みではないのだ。
だから、「どうやって愛したらよいか」という問いに、「私」が悩む必要はないということ。
「私」は愛の「創造者」ではなく、「参加者」にすぎないから。
そう考えると、ちょっとラクになるかもしれない。