読書記録
昨日、私は今日よりも照らされ方が少なかったわけではないし、今日、より多く照らされているわけでもない。なぜなら、もし昨日私が事をこの様に見ることができたなら、私は確かにそう見ただろうからである。(『ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記』) なんだ…
数回にわたって書いてきた『時間の終焉』(クリシュナムルティ/ボーム)のまとめ。 「今の自分ではない何かになろうとすることが、人類の苦しみの根源である。」哲人宗教家のJ.クリシュナムルティは、そう言い切る。それを、一般的命題として語ることには、…
書評『時間の終焉」(J.クリシュナムルティ/D.ボーム)③ 心理的に時間から自由であるとはどういうことか? それは(一面的には)、「私」をAだと定義し、それを保持しようとしたり、 AではないBになろうとしたりする心理的努力から解放されることである。 そ…
書評 『時間の終焉』 J.クリシュナムルティ/D.ボーム② この本を読んでいる最中、変な夢を見た。 非常に短く、ストーリーとしても変だけれど、とても示唆に富んだ夢だったので、少し書いてみたい。 友人数人を含め、なぜか僕らは戦場にいた。 そこでは、不毛…
書評『時間の終焉』J.クリシュナムルティ/デヴィッド・ボーム① 私たちは、脳に確かさを与えないように、それを確かな状態にさせるような知識を求めることなく生きる方がいいのだと思います。・・ いかなる知識も永久に固定することなしに学んでいけば・・ (…
久々のブックレビュー。 今回は、アマゾンに住む少数民族、「ピダハン」についての科学ノンフィクション。 言語学者でありながら伝道師のアメリカ人ダニエルが、未知の文化、言語に飛び込み、 アマゾンで暮らす彼らの生活を明らかにしていく。 このピダハン…
母親のような強い気持ちと、それを可能にする技術 ケガをした子どもに、母親がそっと手を当てる。無意識的に行うその行為にこそ、どんな治療技術にもまさる力があるのかもしれない。 我が子の身体の奥深いところにあるその“治る力”を信じ、<手当て>ひとつで…