的場悠人の体和 Tai-wa 日記

理論と実践を行き来するヨガ研究者。ここではヨガ以外のことも。大学時代から継続のブログ。

ヨガは「誰でもできる」のか

(前回の続き)

もしヨガが全人的なものであり得たとしても、

実際に僕がヨガを伝えるとき、

具現化するそのかたち、言語化するその言葉は、

目の前にいるあなた専用であり、決して全人的ではあり得ない。

 

全人的であることを志向しつつも、

目の前の人に向かって語りかけるときは、

決して普遍化などを目指さずに、

その1対1の関係を全うすればよいのだ、と思う。

グループレッスンであっても、1対多なのではなく、

1対1が多数あるだけだ。

 

こういう時の言葉の使い方って難しいよね。

誰でもヨガはできます、なんてことを言ってみても、

実際に「誰でもできるヨガ」を提示することはできない。

だからって、「誰でもヨガはできます」という言葉が嘘だというわけではない。

 

ひとつのことを直観しても、

それを示すためには、常に正確さに近づく不断の努力と、

やっとの想いで見つけた言葉も、次の瞬間には捨ててしまえるような潔さ(ある友人が言ってた好きな言葉)が大切なのだろう。