体和日記 Tai-wa-nikki

茨城県つくばを拠点に、体和塾(カラダを和ませ、カラダで世界と和する塾)という活動をしています。ハートオブヨガ、甲野式身体術、哲学などから考えたこと、感じたことを、赴くままに。

ヒッチハイクつくば~広島 体験記② 「BE HAPPY」 の真意

ヒッチハイク体験の第二弾。 第一弾はこちら「待つことについて」 。 ヒッチハイクは、成功より失敗の方が圧倒的に多い作業だ。 野球のイチロー選手が大記録を出したときに、「打った本数よりも、むしろその陰にあるより多くの失敗の方に価値があるように思…

ヒッチハイクつくば~広島 体験記① 待つことについて

人生初のヒッチハイク。茨城県つくば市から広島まで、計4日かけて往復した旅のレポートを書きます。 ヒッチハイクのノウハウ的なことはたぶん他の人がいっぱい書いているので、僕はヒッチハイクの時の心情をメインに書いていきます。 待つということ 鷲田清…

選択するカラダ、捨てるカラダ

生きることは、選択の連続だ。 生き始めた時点で、毎瞬間、何かを選び取り、何かを捨て、そうやって生きてきた結果の総体が、今の僕だ。 僕らは、いかなる手段をとっても、「無選択」ではいられないし、中立でもいられない。 ここでいう「選択」とは、職業な…

愛しい空っぽと色たちを

僕らはふだん、自分や他人によって着色されたストーリーを生きている。 言葉やイメージによって打ち立てられたストーリーを、遂行し、再現前化させることで生きている。 例えば、人生計画を立て、それが「より聴こえのよいもの」になるよう努力したり、 理想…

「遊び相手」としての世界

最近、なんだかいろんな人と話す機会がある。 それも、今まで話したことがなかったようなジャンルの人、僕には想像もつかないような考えを持った人と巡り合うことが、どういうわけか多い。 最近出会った人たちについて、ここでどうこう語るつもりはない。 ひ…

それでも、「個」としてあるという不思議。

前回、 「個」なんてものはない? 「私」なんてものはない? という話をした。 色即是空! みたいな感じかな。 でもでも、 この後に続く言葉を忘れちゃいかん。 空即是色! あれだけ不確かで、確固たるものがないと言った(よかったら前回を読んでください)…

置かれた自分、媒体としての自分

「あなたはありのままでいいんだよ」などと言われた時、抱きがちな疑問。 「じゃあ、なんにもしなくていいの?」と。 いやいや。 それは「自分」というものをとらえ違えている。 真空のような場所に、交流も変動もまったくしない、なんにもしないものを「あ…

変動、交流、非・技法的カラダ

身体「技法」、身体「操法」、身体「術」・・・ これらの言葉からイメージされるのは、「いかにカラダを動かすか」に関する探究だということだ。 確かに、この視点からもたくさんのことを語ることができる。 ただし、これらの言葉が暗黙のうちに前提している…

ヨガで養われる柔軟さについて

今日、グループでのヨガコースを受けていて思ったこと。 通常、グループでヨガをすると、指導者の声に合わせて動いていく。呼吸の吸う、吐くのタイミングも、指導者の「吸って~」「吐いて~」に合わせて行われることが多い。 しかし、当然一人一人の呼吸の…

空(くう)と虚しさと楽しさと。

ヴェーダンタ哲学とか、非二元論哲学に、幸か不幸か、出会ってしまった。 世界は空であり、そこに「ただ気づいている」究極の主体がいる、という。 例えば、何かイヤなことがあったとする。 その際、僕らはいろんなことを感じ、考える。 「あ、イヤだなー」 …

実感なき凡庸な幸福

「幸せになる勇気」。 僕なりに言い換えると、「凡庸である勇気」となる。 何か優れたことをしないと、「よい」人生だと思えないような心。 どういうわけか、ほとんどの人に備わってしまっている。 幸せになるために必要なことは、この強迫観念から抜け出す…

何はともあれ、楽しく生きたい。

陣痛ー新しい思想が生まれる際の。 (これはウィトゲンシュタインの言葉をちょっといじった。) 何かが大きく変わろうとしているとき、文字通り身体的な「痛み」に似た感覚を味わうことがある。 それに耐えうるだけの、心身の柔軟さが必要だ。 心のマタニテ…

ハートオブヨガトレーニング名言集

今年3月に受けた、ハートオブヨガのティーチャートレーニング。 1か月半くらい経過した今、改めてノートを振り返り、心に響く言葉たちを書き連ねてみました。 いろいろコメントしたいところですが、今回はひとまず羅列するだけにしてみます。 発言者は、だい…

境界としてのヨガマットの機能

現代にヨガをする人にとって、欠かせないアイテムとなりつつあるヨガマット。 しかし、それが一般的になったのは、いつ頃なんだろう。 伝統的なインドの行者たちが僕らのようなゴム製のマットを使っているとは考えにくい・・ いろいろ調べたけど、正確な時期…

残酷な色、もしくは残酷な人間(色覚異常の僕が見る世界)

色覚異常の僕は、見えている世界の色を、○○色という名前に変換する作業が苦手だ。 また、世界の中から○○色を探すのも苦手だ。 仮に、僕がこれらのことにチャレンジすると、何が起きるか。ちょっと劇場的に書いてみる。 やんちゃな色たち 「これ何色?」 この…

色覚異常の僕が困る8のこと

実は僕、色覚異常なんです。 前回このことを公表し、それなりに反響がありました。 具体的に、どんな場面で困るか、その例を挙げていきます。 色覚異常の人がみんなそう、ってわけではありません。あくまで、僕の経験から。 ちなみに、僕が異常を自覚したの…

僕、実は○○なんです。

いきなり何のカミングアウトだよ、って感じでしょうか。 まぁ、そんなに深刻にならずに受け止めてくださいな。 実際、そんなに深刻なことではないですから。 実は僕、先天的に色覚異常なんです。 そんなに珍しいことではありません。男性の20人に1人がそうら…

「ヨガ」という概念を楽しんでしまうとき。

何を楽しんでいるのか? Are you enjoying by the pose itself? Or by “doing” the pose? あなたはポーズそのものによって歓びを得ているか? それとも、ポーズを「すること」によってか? ハートオブヨガのティーチャートレーニングにて、ちょっと哲学チッ…

ブックレビュー『なぜ母親は、子どもにとって最高の治療家になれるのか?』

母親のような強い気持ちと、それを可能にする技術 ケガをした子どもに、母親がそっと手を当てる。無意識的に行うその行為にこそ、どんな治療技術にもまさる力があるのかもしれない。 我が子の身体の奥深いところにあるその“治る力”を信じ、<手当て>ひとつで…

「成長モデル」の落とし穴

できない 意識しながら、ゆっくりとならできる 意識しなくてもできる 運動技能を習得する際の成長モデルとして、一般的に用いられる図式を持ち出してみました。僕の記憶では、高校の頃の保健体育の教科書にも登場した気がします。 例えば、サッカーのパスを…

有難みに気づくということ。

失ってからでは… 有り難さは、それを失ったときに初めて気づく。 何かにつけ、よく言われる言葉だ。 「在る(有る)」ことが当たり前だと思っているときは、それがどんなに尊いことか、なかなか気づかない。 「有り難い」という漢字が、まさにそのことを表し…

聖人ではない僕が、毎日ヨガをするために。

続けるには・・ 継続は力なり。 特に、カラダに関わることは、ある程度続けないとその効果や影響は分かりにくい。 なぜか? カラダが恒常性を持った物体だからである。 カラダには恒常性があるから、ちょっとのことでは変わらない。「これまで通り」を維持し…

なぜ僕らには利き手があるのか。

人間のカラダってよくできているな、とつくづく思うんだけど、今日はこんなお話。 ふと湧いてきた疑問。 なんで、利き手、利き足があるんだろう? 色々考えた結果、浮かんできたのがこんな話。 自由を課されたとき、どうなるか。 ビュリダンの驢馬という寓話…

ちょっと前の自分について。

最近、ある方にFacebook上でシェアしてもらったこともあり、去年11月に書いた記事へのアクセスが増えている。 でも、自分でそれを見返すと、本当に恥ずかしくなる。 こんなこと考えてたのか、今の僕からは絶対に出てこない文章だな、と。 (問題の記事はこち…

アーユルヴェーダノート 実践編

インドの伝統医学、アーユルヴェーダの実践編です。僕自身が忠実に実践しているわけではないです。むしろ、去年9月にインドで講義を受けて以降、ほぼ忘れてました。最近、ふと思い出したので、復習がてらまとめてみようと思った次第です。 ちょっと復習。 …

アーユルヴェーダノート理論編 英語でYogaを学ぶ。

半年前、インドにて。ヨガのティーチャートレーニングの合間に、インドの伝統医学、アーユルヴェーダの講義を受けました。不意にそのノートを振り返りたくなったので、復習がてら公開します。そこで登場する英単語とともに。 アーユルヴェーダ(Ayurveda)は…

寒がり必見! 布団の中でもできるヨガ

春が近づいてきましたが、まだまだ寒い日が続きますね。 布団から出るのがつらい、、 そんな時に考えたのが、布団の中でもヨガをやっちゃうか、という考えでした。 僕が思いついた、布団を被ったままでもできるポーズをいくつか紹介したいと思います。 もう…

ユートピア的になること、開いていること

「仲間内」のよさ 類は友を呼ぶ。 僕も、ひとりで生きていけるほど強くはないから、群れる。 その「仲間内」って、結構心地がいい。 だから、その中で生を完結したくなるような欲に駆られることがある。 ユートピア的、小社会。 何か理想があって、それに共…

ヨガをめぐって、ぐるぐる回る思考

昨年末に出会った、こんな言葉。 実り豊かな諸方法は、あまりにも意味を持ちすぎていて、私たちと未知のものとあいだに、それ自体が自己目的として追求されるような客体として介在してしまう。 もし諸手段に訴えることが活動性の気圏を定義するものであるな…

逆立ちして、哲学してみた。

上下ひっくり返れば… 久しぶりの記事になります。 今日、自分でも自分がいかれているんじゃないか、というような行動をとっていました。 何をしたかというと、「逆立ちして、哲学した」のです。 大学は学期末。レポート課題に追われる中、頭の中がごちゃごち…

姉について

最近、姉(22)がブログを始めた。以前からco-mediaという学生サイトでライターをやっていたみたいだが、個人的なことも書きたくて独立したらしい。 始めたばっかだって言うのに、猛烈な勢いで更新してる。もう記事数抜かれそう。 そこで、僕のことも書いて…

「毎日が新鮮!」じゃなくてもいい

変えようとしなくたって 「一度として、同じヨガはありません」 毎日ヨガのプラクティスをするように勧めるとき、よく使われる文言がこれだ。 確かにそうなんだけど、この側面ばかり強調すると、ちょっとおかしな方向に傾くことがある。 それは、「違い」を…

JIDAIさんの演技を観て、考えたこと。

「魂の時間」 マイムアーティスト、JIDAIさんの舞台を観に行ってきた。 演技後のお話では、「オーガニックマイム」というJIDAIさん独自の世界観が語られた。 一種の瞑想状態に入っているという演技の最中、エゴの感情ではなく、「普遍的な感情」、「宇宙に遍…

楽しそうに太鼓を叩く人は、太鼓からも愛されている

「雀鬼」の言葉 高校生のときに読んでいた本をふと読み返してみた。 「雀鬼」桜井章一氏の『体を整える』という本。当時の僕が付箋を貼っていたのは、こんな言葉。 卓球の平野早矢香選手が、「練習量には自信があるのに、なんでもっとうまくならないんだろう…

「無条件の愛」なんてことを「目指そうと」すると、とっても苦しくなる、という話

無条件の愛 ヨガで言われる、ひとつの目指すべき境地のようなもの。 「○○だからよい、○○だからダメ」などと判断することなく、常にそれらのあるがままを受け容れ、愛する。 こんな聖人みたいな境地、あり得るのか?と思うんだけど、最近の僕にとって切実な問…

2017年、新年の目標に代えて。

新年を迎えて。 新年。新成人。 節目と呼べるこの年末年始なのに、個人的にはまったく実感がない。 目標も、特に立てる気にならない。 初日の出は見に行ったけどね。 それでも、新成人を迎えるにあたって、ざっと自分の人生を振り返ってみた。 僕は5歳でサッ…

ヨガをする僕と哲学者たちの対話

ヨガの「資格」という、矛盾に満ちた存在 今年の夏、僕はヨガインストラクターの資格を取った。というより、インドで1か月ヨガをしたら、結果的にもらえた。 ヨガにおける「資格」って、どんな意味を持つものなのか。 最近思うのは、「資格」ほどヨガからか…

一筆書きの動き

「和の動き」に見るもの 僕が「和の動き」と聞いてイメージするもの。 茶道、能、舞踊、武術など。 よどみのない、なめらかな動きであるように僕は思う。(僕はこれらのいずれもきちんとやったことはない。) この、一本の流れでつないだような動きを、僕は…

いつでも動けるカラダであること

サムライは準備運動できない! 僕の師の父である武術研究者の甲野善紀先生は、武術とスポーツの違いを説明するとき、よくこんな話を持ちだします。 武術では、いつ襲われるかわからないという状況下で、すぐに動けなければ意味がありません。斬りかかられた…

ヨガは、あなただけのためじゃない

インドでの一番の衝撃 インドでのヨガティーチャートレーニングにて、最も衝撃的だった出来事を紹介します。 それは、空き時間に、インド人の友達(30歳くらい)と二人で自主練習をしていた時のことでした。 普通にヨガのポーズを練習していた彼が、いきなり…

「それ」を見つめろ! 韓氏意拳レポート

僕が探究していることと最も親和性の高い武術が、中国武術の韓氏意拳です。 今年4月、韓競辰先生による韓氏意拳の講習会を受けたときの感想を公開します。 増えること、減らしていくこと 3時間の講習会中、韓先生は50人近い参加者を前に終始大きな声で語りつ…

英語でYoga 哲学編

哲学に関わる単語 misery 苦 transmigration 輪廻 reincarnation 転生、生まれ変わり liberation 解放、自由 emancipation 解放 nirvana 解脱 divinity 神性 cosmic consciousness 宇宙的意識 生きていることは「苦」だからこそ、輪廻からの解放を目指すこと…

英語でYoga アーサナ編

インドで受けたヨガプログラムは、すべて英語で行われました。最初の方は分からない単語もありましたが、徐々に慣れて、今はなんとか英語でもインストラクションできるようになりました。 「英語とヨガを同時に学びたい!」という方は、ぜひ参考にしてもらい…

日常の中に棲むサムライ的なもの

「動作術探究」の実態 僕が現在メインで行っている活動のひとつに、大学一年次に設立した大学サークルがあります。(現在は、「体和塾」という名称で週一活動。)この会では、主に僕が甲野陽紀氏(身体技法研究者)から学んだことを、僕なりに解釈しながらメ…

ココロとカラダを調和させるちょっとしたコツ

やりたくなるまで待ってみる ある日、夕方に帰宅し、何をしようかな、と思いました。ここで「なんとなく」パソコンを点けたり、テレビを点けてしまう人が多いのではないでしょうか。僕もたまにあります。 ここで問題なのは、インターネットやテレビには、情…

何かを身につけたいとき、本当に必要なこと

必要だからできてしまう 生まれたばかりの魚は、誰に教わるでもなく泳ぎ方を習得し、生まれたばかりの子鹿は誰に教わるでもなく立てるようになります。人間の子どもも、立って歩けるようになるために失敗を伴う訓練を要しますが、最終的には立ち方や歩き方を…

モノと私が友達であること

友達になれる条件 人間は、道具を使う動物です。故に、モノと共に動く、ということをしばしば行います。それは日常生活のみならず、スポーツや芸術活動にも多くみられます。 そういった時、快適に動くためには、そのモノに馴染んでいる必要があります。モノ…

よい鏡を使えば、映る自分もよくなる

他人は自分の鏡である 目の前の他人は、自分の鏡です。そう考えると、目の前に出現した人を見ることで、自分自身を反省的に捉えることができます。 例えば、会話している相手がやけに自分を誇示し、優越感を示してくる場合。こんな時は、この相手の中に、「…

アーサナとはカラダを使った旅である

柔らかい方が楽しめる? ヨガといえば、いろいろなポーズをとるものというイメージを持った方が多いでしょう。ヨガのポーズのことをアーサナと言います。 アーサナには、インドの伝統的なものだけで840万種類もあると言われています。その人の骨格や柔軟性、…

インドでヨガの先生が僕たちに望んだこと。

ヨギとしての人生に準備日などない 修了テスト前日のこと。テストは実技、口頭、筆記がありそのうち筆記が特にハードだったので、みんながテストのための勉強に精一杯になっていました。そんなとき、先生がポツリとつぶやきました。 みんながテストでよい回…